暗闇の底で、愛を囁くよ。




つい先日、友人を亡くしました。

残念ながら明るい内容ではありません。ただ、あたしが伝えたいことが山ほどあるので人の目に留まるこの場所に文章を残します。

少し立ち直ったので、その少しの力を振り絞って。

享年22歳。23歳を目前にして、自らこの世を去りました。

悔しい悲しい苦しい辛い。
そんな気持ちも知らずして、当の本人の顔は清々たるもの。

その足で大地を駆け抜けて、文字通り飛び立ちました。

ご家族に、ではなく、私に、彼から託されたものは、彼の思い出全て。

最期の顔を見た、棺も見送った、骨も拾った。
それでも、まだ実感出来ない。
一体あたしは、あの場で何をしてきたの?
灰に埋もれた、質感の薄いかさかさと音を立てるあの物質が、ヒトだったものだと未だ認識出来ずに居るよ。

あれが君だったんだと。

日が経てば経つ程、まるで夢みたいに思われて、一生忘れる事は出来ないと思ったあの顔も、今やうっすらと靄がかかる。
それは人間の防衛本能なのかもしれないね。

あたしの精神を守るために。

自分の死に方について話した事があったのをふと思い出した。
あたしは、死ぬということが余りにも漠然としていたから、ある漫画のある青年の言葉を反芻した。

雪山で凍死すると、体は綺麗なまま保存され、春の雪解けと共にせせらぎに揺られてた山麓へと戻るという。それはきっと美しいね、と。
それに対して彼はこう答えた。
死ぬ程の痛み、っていうけど、それは死んでいない人間の感覚。自分の心臓を握り潰して、事実『死ぬ程の』痛みを実感して死にたい、と。
今思えば、それは最早想像とか仮定とかそんなものを遥かに超越した願望だったんだろう。
その時のあたしには計り知れなかったけど。

理由はわからない、彼はそれを語らなかったから。

あの時既に、君はそのつもりだったんだね。だけどあたしたちが引き留めた。

君を笑わせていたのは紛れも無くあたしたちだった。

人間の存在を粒子の集まりだと、誰にも証明出来ないモノだと表現し、だから信用出来ないとニヒルに笑った。
君が信じなかったその体は、熱を失って確かにそこに存在していたよ。
冷え切ったあたしの指先は、冷たいかどうかさえ判断出来なかったけど。
そうして焔に包まれて、今度こそ本当の粒子に還ったんだよね。
それでもやっぱり、君だったものはこの世界に残ったよ。
だとしても、君は信じないだろうか?納得しないんだろうか。

世界さえ疑ったその彼が、あたしたちに出会えた事を奇跡と呼んだ、神様だって信じても良いと。

それでも、あたしの存在は彼の寿命を3年伸ばす事しか出来なかった。彼の覚悟を揺らがせる事は出来なかったよ。

君が居るから簡単には死ねないと、そう言った君の台詞を信じていたのに。
二年後も三年後もくだらない思い出話をして、お互いの結婚式でにやにや笑って、何でもない時間がずっと流れてくんだと思ってたよ。


伝えたいことならたくさんある。
でももう叶わない。彼は二度と、私の前で笑わないから。

私から私の大切なひとたちへ、切実なる願い。
あなたの大切な誰かに、言葉と態度を贈る事を惜しまないで下さい。
いつ何処でどんな事が起こるのか、あたしたちには予測出来ないし、未来は左右出来ないよ。
だから大切だと思える人をちゃんと大切にしてあげて。
馬鹿馬鹿しいプライドも、『面倒臭い』なんて馴れ合いの言い訳も、そんなガキみたいな駄々こねてないでいい加減大人になってよ。

大切な誰かと、後悔せずにわらってさよなら出来るのか。

そう、今、たった今、この瞬間に。


もうあたしは言えないから。
ありがとうも大好きも、ごめんも何もかも。

だから代わりに、『あなた』の大切な、『誰か』へ。


一緒に泣いてくれた家族と、
始終心配し、葬儀への道中傍に居て下さったさんまるさん、
わざわざ斎場の傍まで迎えに来て話に付き合ってくれた104、
あたしはみんなに愛されて、本当に幸せ者。

人を失い、人の大切さを知るなんて限りなく皮肉だね、アイロニィに満ちた全ての事象は、きっと彼からの最後の贈り物。
君らしいね、苛々するよ。

彼を見送ったその日は、曇り空に映える銀杏の黄色が眩しかった。
アスファルトに落ちて跳ね返る雨粒と、靴底との摩擦ですり潰された銀杏の薫りが入り混じって。

忘れません。

君が最期に息をしたその瞬間、何を思ったのかは計り知れないけど、
君の中には確かにあたしが存在していたんだろうね。

このどうしようもない苦しみを背負い、幸せになることがあたしの使命だとしよう、
それは余りにも酷だと思われるけど、これを君からの問い掛けだとするならば、
全力を以て応えるよ。



「幸せになってくれないか。」

「臨む所だ、大馬鹿野郎。」



あたしを闇夜に熔ける黒い猫と呼んだ、
彼は深海を自由に舞う夜の鳥。



終わりにしよう。
大好きだったよ。

さよなら、


面白い・つまらない




オトナの定義って、何処にあるものなんだろね。
その答えはきっと、自分の中にしかないものなんだろうけど。
つまらないオトナにはなりたくない。
その反対は面白いオトナ?

何かひとつをちゃんと護れるオトナになりたい。
逃げ道を探し続けるように、新しい事に身を投じるような人間にはなりたくないな。
今の自分から脱却を。

もう少し、もう少し。

彼らを見てると苦しくなる。
明るくて眩しくて、
葛藤さえも曝け出して、
プラスもマイナスも一緒くたになっていて、
色彩が鮮やかで、
苦しい。

深い深い、暗い部屋の中でじっとしていたい。
深海魚になりたい、深い紺色に包まれていたい。
少し休養しよう。
光の届かない薄暗い場所で。

落ち着かない




落ち着かない落ち着かない
ふわりふわり、楽しくて嬉しい、
ずどん、と胸を撃ち抜かれて落胆、絶望、
回復、瀕死、
の繰り返し。
感情の波がふとした瞬間に押し寄せて、
2,3分の間に世界が膨張して縮小する。

何もかも壊したい、
跡形がなくなるくらい粉々になるまで
もしくは壊れたい、
理解してしまう脳を粉々にして

甘え、か。結局は。

歳を




とったなぁ、って思う瞬間は本当にやまほどあって、
でも実際には22年しか生きていないから、
親からしてみれば何をほざいているんだろうこのガキは、
というような感じなんだろう。

でも確かに時は流れていて、
あたしはやっぱり「子供」ではないのだ。

過去



魅力がないと言われたあの出来事は、
ショックだったというよりも憤りの方が強かったのだ、と
今更ながら感じた自分が居る。

魅力がないという事は、ずっと前から自覚していた事実であって、
分かっているけどどうしようもないことなのだ、
それなのに一体どうしてそんな事を言われなければならないのか、と。

理不尽な憤り。
傷ついたような気持ちになるのも、間違っていたんだろう。

自分を強靭にカテゴライズしていくのは一種の逃避だ。
いつだってそれを言い訳に変えられるように。
そんなの知っていたでしょう?と、
あたかも自分が正統であると印象付けるために。

常に言い訳と逃げ道を考えていた、
あの頃の自分は随分と疲れていただろう。
良く頑張ったよね。
今のあたしは君に感謝し、最大の同情を贈るよ。

少し自分の立つ位置を変えた。
責任を背負うのを辞めてみた。
欲しいものを欲しいと言ってみた。
それがどれだけ幸せなのか、
実感した今、もう戻れはしない。

大切な人を大切にしたいだけ。
もっとゆっくり、穏やかな毎日を過ごしたいだけ。

新しい道を切り開くのは疲れてしまったから。
少し、後ろをついていっても許されるかな、と。
*Easy Lazy Crazy*

安易で物憂げ
それでいて狂気的な素晴らしき日々。

穏やかでのんびりと
ただ夢中でいられる素晴らしき日々。